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矯正のお話⑤
矯正のお話⑤
先月の記事に訂正があります。それは、拡大床(取り外し可能な顎を拡げる装置)を用いて、拡がり過ぎた上顎を見て、こんなに拡がれば鼻呼吸も少しはできるんだろうということを書きました。
ところが、その後、東京と大阪で行った「スケルトンタイプの拡大装置を用いた矯正治療」という講演の準備をしているときに、床装置で拡 がった模型を削って断面を見たところ、なんと肝心要の鼻腔の真下の口蓋の部分は全然変化が無く、歯の根が植わっている歯槽の部分だけがすごく傾いているだ けで、上顎全体が拡がったように錯
覚させられていたことがはっきり解りました。従って、床装置で一見拡がったように見えても、口呼吸の改善は全く認められないということになります。当然の ことではありますが、従来から当院で使っている4本の歯に直接拡げる力を加えるスケルトンタイプの拡大装置を用いた模型の断面では、鼻腔の真下の口蓋が確 実に拡がっています。もちろん、鼻呼吸がし易くなっていることは言うまでもありません。 
 余談ですが、昨今、睡眠時無呼吸症候群がよく話題に上ります。今年の口腔外科学会においても取り上げられていました。その中に、子どもの睡眠時無呼吸による睡眠障害も一
つのテーマになっていたそうで、ようやくこのあたりのことにも関心が払われるようになってきたようです。


西宮市・保田矯正歯科 保田好秀
投稿者 医療法人社団 保田矯正歯科③ | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
矯正のお話④
矯正のお話④
このコラムでしばしば子どもの口呼吸の弊害についてお話しをしてきました。改善のためには、上顎の拡大を行って天井を拡げます。そうすると天井裏にある鼻腔が拡がり、鼻
呼吸し易くなるんだと説明してきたと思います。私どもでは、拡げる装置として固定式のスケルトンタイプの拡大装置というのを用いているのですが、それは取り外しのできる床矯正装置では効果が得られにくいという理由からです。
 さて、先日、機会があって、私にはなじみのない床矯正装置を用いて拡げた治療例を見せてもらったときに、あぜんとしました。「こんな歯列見たこともな い!」が第一声でした。やけに平べったい台形に近い歯列でした。拡がり過ぎているので鼻呼吸もできそうでしたが、やり過ぎです。さらに悪いことには、6歳 臼歯などは上下ともに頬っぺた寄りに倒れていて、これでは本来の役割を果たせそうもありませんでした。他所
ごとながら今後どうしていくんだろうと心配になりました。
 その先生の信条は、床装置で拡げて場所を作り、歯を抜く矯正治療は行わないというものらしいのですが、確かに歯が並ぶ場所はできています。しかし、咬合力の大半が発揮さ
れる大臼歯での咬み合わせが犠牲にされては、本末転倒もいいところです。主義主張も大事かもしれませんが、教条主義的な考え方は患者さんを不幸にすると思います。


西宮市・保田矯正歯科 保田好秀
投稿者 医療法人社団 保田矯正歯科③ | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
矯正のお話③
矯正のお話③
今回は、いわゆる中年の域に達している成人のお話しです。受診の動機は見た目を治したいというものがほとんどですが、患者さんの側で、この年まで我慢したのだからとか、
今更この年になって矯正なんてかっこ悪いとか、こちらからすれば何でもない理由で受診を躊躇していることが多く、いたずらに時間だけが過ぎて歯周病が進行したりしています。ようやく矯正治療に踏み切った時点では、最初に歯周病の初期治療から取り掛からなくてはなりません。
 それでも一つずつステップを進めていくうちに、歯ぐきの状態も歯並びの状態も目に見えて良くなって、ブラッシングもやり易くなるものですから、患者さん の気持ちも変化して、会話も弾むようになったり、表情も服装も変わってきます。そうなりますと、今まで口の中に関心が持てなかったのに、手鏡を持って歯ぐ きをチェックしたり、歯の色を気にしたりし、歯ブラシもきちんとされるようになります。もっと早くしておけばよかったと後悔されることもしばしばありま す。
 積極的に歯を動かす治療が終わってからは、きれいになった歯並びを保持する段階になりますが、こういう方たちはきちんと来院されますし、歯を白くしたいとか、詰め物の金
属を白いセラミックにしたいとかの相談を持ちかけられるようになります。変われば変わるものです。


西宮市・保田矯正歯科 保田好秀
投稿者 医療法人社団 保田矯正歯科③ | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
矯正のお話②
矯正のお話②
今年も矯正歯科医会の市民セミナーが各地で開催されていますが、先日、愛媛県の松山まで手伝いに行ってきました。初めに岡山大学の山城隆教授の「矯正治療ってなあに」
という講演があり、その中で、矯正治療の対象になるのは急性症状を呈しているものではないので一刻を争うものではないこと、治療が目指すところは QOL(quality of life)を高めることにあること、またそういうことだから、家庭の価値観でもって受診するしないを決めればよいということなども取り上げられてい ました。まさにその通りだと思います。

しかしながら、子どもさんやご自身の歯並びにどのような問題点があるのか、それを一般人が見出すのはとても難しいことです。歯科医師ですら矯正学的な問題 点を見逃してしまうこともあるくらいです。ですから、歯並びに関して何か気になることがあれば矯正歯科を受診して、問題点を指摘してもらい、理解すること が肝要です。もし納得がいかなければ他の矯正歯科医を受診して、色々と話を聞くのもいいことだと考えています(幸い、関西では初診の相談を無料で行ってい るところが多いようです)。相談をしたら病院で治療を受けなくてはならないなどと律儀なことを考えずに、納得のいくまで説明を聞いて、ご自身のライフスタ イルや考え方に沿った選択をなさるとよいでしょう。

西宮市・保田矯正歯科 保田好秀
投稿者 医療法人社団 保田矯正歯科③ | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
矯正のお話①
矯正のお話①
10月に「スケルトンタイプの拡大装置を用いた矯正治療」というタイトルのセミナーを開くこととなり、原稿の仕込をしています。集めた資料の中に滋賀医大の睡眠学講座の教授
の「快眠ライフのために」というテーマの新聞連載記事があり、その中に子どものいびきを扱ったものがありました。

そこには、生まれつき胸の陥凹があり、漏斗胸と診断された6歳の男の子の話があり、扁桃肥大による口呼吸が原因ということでした。体格も小さく、おねしょ もし、いつもイライラしているということでした。睡眠時の様子をモニターすると、いびきをかきながら喉と胸のところがへこむのが確認でき、呼吸をするのに かなりの負担がかかっている状態だったそうです。扁桃を摘出してからは、いびきもなくなり、ぐっすり眠れるようになったとのことでした。おねしょも無くな り、食も進むようになったそうです。

普通はここで、めでたし!めでたし!となるのですが、私に言わせれば「スケルトンタイプの拡大装置」を用いて上顎の拡大をすれば手術なんてしなくてよかっ たのに…です。口呼吸やいびきとして現れる子どもの呼吸障害は睡眠を妨げて本来の健やかな成長を阻害するので、その改善には扁桃の摘出という手段もありま すが、矯正歯科的な拡大というア
プローチも十分に有効なのです。

西宮市・保田矯正歯科 保田好秀
投稿者 医療法人社団 保田矯正歯科③ | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
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