インプラントアンカー
インプラントアンカーとは
チタン製のインプラントアンカー(直径1,5ミリ前後、長さは6~10ミリ前後の小さなスクリュー状のもの)をあごの骨に埋め込み、それを歯を動かすための固定源とする治療法。
煩わしい顎外固定装置から解約され、予知性の高い治療が期待できます。
インプラントアンカーの有効性
インプラントと言いますと皆さんは、歯が抜けた所に埋め込んで、噛めるようにするためのものと理解されていると思います。本来、インプラントとは、骨の中に一定期間以上埋入している金属体のことを指しますので、人工歯根と思われるのは当然ですが、実は、矯正歯科治療の世界でも、インプラントは存在するのです。ただ、使用法が全く異なり、矯正の場合では太さが1,3mm、長さが7mm程度の小さなチタン合金製のスクリューを、いわば杭のように用い、また矯正の用が済めば外してしまいます。
矯正歯科治療において常に考えなくてはなないことは反作用のことでした。
例えば、前歯を引っ込めるとき、奥の臼歯が前方へ動いてきます。この臼歯を前方に動かしたくない場合がよくありますが、従来はヘッドギア等で臼歯をホールドしていたのですが、ヘッドギアの装着を強要しなくてはなりませんでした。このヘッドギアの装着、わかってはいるけれど、なかなかしんどいものです。
朝には髪の毛にカタがついていることも。
また、せいぜいできても、10時間位でしょうか。ですから、どうしても理想的な効果をあげることは不可能です。
ところが、インプラントアンカーを植立することで、臼歯が前方へ移動するという望ましくない動きがなくなり、ヘッドギアの呪縛から解放されます。
ブレースの選択については、従来より、よりいいものを取り入れてきました。最近では”デーモン〟に代表されるセルフライゲーションのブレースや、摩擦の少ないブレースを積極的に用いることで、更に利便性を提供できるようになりました。
これは患者さんの立場に立つとものすごい朗報なのです。
もちろん植立に際しては、歯肉に少し麻酔を打つだけで、ほとんど痛みも無く、もちろん感染もありません。
簡単なものです。
また、このインプラントアンカーを用いることで、従来ほとんど不可能とされていた歯の動きができるようになりました。その一つは大臼歯の圧下という移動です。これにより、上の大臼歯をわずかに骨に沈めることで、前歯の咬み合わせが劇的によくなったり、頤の位置が変わったりして、好結果をもたらすようになりました。また、上でも下でも、歯列全体を後方へ移動することもできるようになりました。これらは従来は骨切りを前提とした手術を伴う矯正歯科治療を行うこと以外にはほとんど不可能だったことです。
直径1,3mm、長さ7mmのチタン製のスクリューを用いることで、これほど有意義な動きができるようになったことは、矯正歯科治療の歴史の上で、一つのベルエポックと言えると思います。















