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甲子園口通信
地域情報誌「ともも」
それは突然の訃報であった。「ともも」の主幹のTさんが亡くなった。彼女からは闘病中で、「ともも」の発刊が不定期になる旨のメールが来ていて、その中に、実は暇を作って遊ぼうと考えている等とあったので、快気祝いを楽しみにしていた矢先であった。お互い歳だけれど、頑張ろうねなどとやり取りをしていたのが、二月だから、三か月足らずの間に病状が悪化したようである。心から、お悔やみ申し上げる次第である。
Tさんとの出会いは、「あんてな」という芦屋と西宮市にまたがるミニコミ誌にさかのぼる。三十年も前の話であるが、医療関係のコラムを掲載しようと思うのだけれど矯正の記事を書いてくれませんかというのが出会いである。当時はインターネットの黎明期で、ホームページなどは思いもよらぬ代物であった。矯正治療も当時は今ほど十分に理解されておらず、いわゆる、見てくれを治すものくらいに思われていて、歯周病の予防だとかの観点はほとんどなかった。そんな時にTさんがコラムの話を持ってきてくれて、渡りに船という感じで、当時は月一回だったか、原稿をいわゆるワープロで作って印刷して、ファックスして送っていたように記憶している。
何年かして、「あんてな」からTさんが独立して「ともも」を立ち上げた後も矯正のコラムも続けさせてもらって、おおいに情報発信をさせてもらったと感謝している。先の歯周病との関係や、見てくれを治すことのメリットも述べさせてもらったし、矯正でなぜ健康な歯を抜くのかなども書かせてもらった。口呼吸の弊害の話などは私の得意分野なので、睡眠障害から口臭や姿勢など、何回にも分けて掲載させてもらった。
そうこうしているうちにインターネットやスマートフォンの進化があり、自分自身の医院のホームページでも色々情報を発信できるようになったが、新聞が消えてなくならないように、紙媒体の良さというものが確固としてあるのも事実である。「ともも」も途中から紙媒体のものとwebのものとの併用となったが、どちらの良い点も享受させてもらったと感謝している。
今後、「ともも」がどういう風になるのか不明だが、続くなら矯正のコラムを続けさせてもらいたいと思っているし、書き溜めた原稿をここらで編集整理してまとめるというのも悪くないのかもしれない。