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美術館

時々見る番組にEテレの日曜美術館というのがある。あまり関心のない作品や作家の時には見流しするか、チャンネルを換えてしまうが、ここ何回か見入ってしまうものがあった。その一つは円空さんの時。これはずいぶん前のものの再放送だったようだが、凄く惹きつけられるものがあって、番組自体が一つのドラマのようでもあり、楽しかった。ただ、何年か前に東京博物館で見たことがあったので、その素朴さと力強さを番組で思い出して満足していた。

また、ある時は長谷川潔を紹介していた。この作家についてはどんな人なのかも知らないのであるが、ずっと以前に横浜の美術館で作品を見たのか、ただミュージアムショップで絵葉書とか一筆箋とかA4くらいの大きさのものを買っていて、銅板エッチングの線の細かさ、そのタッチに魅了されてしまっていた。その作品展を高崎の美術館でするというのを短く紹介されて、これは見に行かなくてはと、新幹線を乗り継いで高崎まで出かけた。作家がどんな人であるかとか、絵葉書や一筆箋だけでは知り得なかった様々のことがわかって、有意義なお出かけとなった。

ちょっと前だが、福田平八郎という日本画の作家の特集も楽しかった。企画展で一つ二つ見たことがあるような気はするが、番組の紹介は冒頭から見る者の心を鷲掴みにするようなものだった。その掴まれた気持ちのまま、五月の連休の狭間の会期末が迫る中、出かけていくとすごい人だかりで訝しく思ったが、それは同じ中之島美術館の違うフロアのモネ展のもので安堵した。番組で紹介されていた雲、漣、雪などおよそ日本画の枠に入りそうにない作品も、平八郎の画家としての変遷を追っていくと、頷かされるものであった。楽しい時間を過ごすことができた。

今は情報が氾濫していて、SNSでいとも簡単にいろんなことを知ることができるいい時代だとは思うが、その反面、情報の発信者の考えや感じ方をそのまま吸い取ってしまうことになり、自分自身のそれらが疎かにされるというか、ないがしろにされるというか、金太郎飴の切り口になりがちではないだろうか。何らかの手段できっかけを得て、そこから自分自身の感覚や感性を活かした行動を起こしたいものである。

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