子供の矯正治療

成長前に問題を
解決するための矯正

  • 小児矯正は、口呼吸などの悪習癖を取り除いて、顎の成長をコントロールすることに力点を置きます。いわば土台作りです。

子供の矯正治療のメリット

    • 01口呼吸から鼻呼吸へ改善できる

      意外に思われるかもしれませんが、鼻が詰まっていることが、出っ歯や、前歯のガタガタ、奥歯は噛めているのに前歯が噛み合わない開咬、下顎の歪みといった様々な不正咬合の原因となります。
      理由は実は単純です。鼻で呼吸がしづらいと、やむを得ず口呼吸になります。口呼吸をすると、舌の位置が低くなり、舌、頬、口唇といった歯を取り囲んでいる組織の圧力のバランスが崩れて、それが原因となり、様々な形態の不正咬合がひき起されるのです。
      また、口呼吸には歯並びが悪くなること以外にも様々なデメリットが存在します。

    • 口呼吸によるデメリット

      • 風邪をひきやすくなる
        口にはフィルター機能がないため、ウイルスなどを直接吸い込んでしまい感染リスクが高くなります。温めたり、湿り気を与えることもなく冷たく乾いた空気が直接、気管や肺に入ってしまいます。

      • 姿勢が悪くなる
        鼻がつまっている時は、首を上に傾けた方が口で呼吸しやすくなるため、自然と前傾姿勢が続いてしまい背中が丸くなります。

      • 口臭が発生する
        口呼吸ですと口の中が乾いてしまい、細菌が増殖しやすい状態になってしまいます。そのせいで、口臭が発生してしまいます。

      • 虫歯になりやすい
        口呼吸をすると口の中が乾燥し唾液量が減ります。唾液の洗浄効果が減ることにより、虫歯・歯周病になりやすくなります。

      • 集中力がなくなる
        口呼吸は脳にも影響を及ぼします。「頭を冷やせ!」と言われるように脳下垂体が吸気で充分に冷却されないために頭がボーっとして集中力が低下してしまうと言われています。読書などが苦手になります。

      • ボーっとした顔になる
        口呼吸している時間が長くなると、口周りの筋肉がゆるんでしまい、口元だけではなく顔全体がしまりのない表情になってしまいます。

    • 当院の取り組み

      口呼吸しているお子さんは、集中すると、例えばテレビを見たりゲームをしているときに口をぽかんと開けています。また、舌の位置が本来あるべき位置と違っているので、しゃべり方が何となく他人と違う、発音がおかしいとか、食事に時間がかかる、かたいものを嫌がる、子供なのにイビキをかく、寝汗が多い、オネショがある、朝から疲れている、息切れしやすい、頭痛がある等の症状がでることが多いです。そういうサインを見つけられたら、口呼吸の悪影響が出ていると考えてよいでしょう。 この口呼吸を治すことが子供の矯正治療においてとても大きなウェイトを占めます。色んなアプローチがありますが、MFT と呼ばれる舌や唇の筋肉のトレーニングを推奨される先生もいらっしゃいます。 しかし当院では、それよりも何よりも、まず鼻を通してあげること、鼻で楽に呼吸をさせてあげることに主眼を置いています。鼻で息ができないので、口で息をする、その結果、舌や唇の機能の異常が発生するので、最初にMFTを行うのは本末転倒です。 実は上顎を拡げると(3mm前後)、多くの場合、鼻呼吸を獲得しやすくなります。口の中の天井を拡げるわけですが、学童期ですと簡単に拡げることができます。とても痛そうな感じですが、骨には痛みを感じる神経がないので、特に痛みはありません。この時期の治療が、学童期の健やかな心身の成長を左右すると考えています。 万一、この時期の治療を逃してしまって、骨格が固まってしまっても、最近では、上顎の拡大が可能となり、鼻呼吸の獲得はできますが、口呼吸のまま成長するよりは、鼻呼吸で成長する方がいいに決まってます。

  • 02あごの成長のバランスを整えられる

    正常な発育を妨げるような歯並びや癖を改善し、あごやお顔の成長のバランスを整えます。 あごの成長のコントロールは、成長期のこどもでしか出来ない矯正治療です。一つ例を挙げますと、上顎が狭くて下顎が前へ成長できないような、横顔が鳥さんのような場合、下顎を前方へ成長させることが可能になるので、将来の睡眠時無呼吸症の予防にもなるのですね。もし、成長が止まっていた場合には、同じ効果を得るのに、下顎の骨を切って、前方へ移動させる必要があるのですね。 でも、逆に下顎が大きすぎるといった遺伝的なものは、成長期の矯正治療でもコントロールできないので、将来、外科的な矯正治療に移行する場合もあります。

  • 03抜歯をせずに矯正ができる ということではありません

    私どもでは、子供の矯正治療のほとんどのケースで上顎の天井を拡げています。これは鼻呼吸を獲得するためのものです。もちろん、拡げているので上の前歯が並ぶスペースを確保することができますが、歯の大きさの問題とかで、すべて永久歯に生えかわった段階で口元が出ているとかの問題があれば、抜いても全く差支えのない歯を抜歯して、前歯を引っ込めます。

  • 04永久歯での矯正が楽になる

    学童期の矯正治療を行い、永久歯がすべてスムーズに生えかわってくれるのが理想ですが、生まれついての歯の大きさ、もともとの永久歯の位置の悪さで、永久歯列からの矯正が必要になる場合があります。そんな場合でも、もう基礎はしっかりできていますから、続きの治療(Ⅱ期治療)は楽になります。口呼吸をしていると、舌の位置に問題があり、頬、唇等のバランスが悪く、矯正治療した後の歯列の安定性に問題を生じます。子供の時に鼻呼吸を獲得しているとそういう問題は少なくなるわけですね。

子供向けの矯正装置の種類

  • スケルトンタイプの上顎拡大装置(Hyrax)
    下顎のbi-helix
    上顎前歯部のセクショナルアーチ

    上顎の天井(口蓋)の骨のつなぎ目に作用して、左右に数mm離開させて新しく骨を作ります。これでほとんどの子に鼻呼吸への改善が認められます。痛そうですが痛くない装置です。
    同じようなネジを組み込んだ取り外しができる装置では、残念ながら天井は拡がらず、歯が外側に傾斜するだけなのです。簡単な装置ですが、口呼吸の改善にはつながりません。

    下顎の装置は犬歯から後ろの歯を側方に起こすことで、前歯の場所を確保します。残念ながら下顎の骨にはつなぎ目がないので、横に拡げることはできません。ですから、上下の咬み合わせを考えて、上顎の拡げる量を決めています。やみくもに10mm以上拡げることはありません。

    ※典型的な例としては3番目の乳歯から前歯4本の永久歯と反対側の3番目の乳歯6本の歯の表面にブラケットを貼り付け、ワイヤーを通すことで、上顎の前歯を揃えます。そうしておけば、今まで上の前歯のガタつきで制限されていた下顎の動きがスムーズになるというメリットが生じます。もちろん見た目もよくなります。その後、リテーナー(保定装置)を家に居る時だけ装着してもらい、永久歯列への交換を待ちます。

    • Merit

      • 口呼吸から鼻呼吸へ改善できる
      • 前歯の並ぶ場所を確保しやすい
      • 正しい舌の位置を獲得しやすい
    • Demerit

      • 外せないので、歯磨きが面倒
      • 異物感・痛みがある
        ただし、1~2日で慣れることが多い
      • 後で生えてくる永久歯によっては、
        永久歯列完成時にⅡ期治療が必要になる

子供の矯正治療の費用

※消費税込みの料金です。
※装置料に関してはローンもご利用いただけます。

  • 相談・検査・診断料

    相談料 無料
    検査料+診断料 55,000円
  • 装置料

    Ⅰ期から治療を開始される場合 330,000~440,000円
    ※上顎全体を並べる場合は+220,000円となります。
    Ⅱ期治療 追加で495,000円~605,000円(総額935,000円)
  • その他

    月々の調節料 6,600円
    定期健診の観察料 3,300円
  • 子供の矯正治療の治療期間・回数

      始める時の歯の状態によって、期間や回数は変わってきます。
      一般的には、2年~2年半とお伝えしていますが、来院は月1回の時もあれば、2~3ヶ月に1回の時もあります。
      リテーナ(保定装置)になれば、およそ3ヶ月に1回、交換状況のチェックをさせていただきます。

  • 子供の矯正治療の注意点

    • 厚生労働省が定めた疾患に起因する咬合異常に対する矯正治療は保険診療の対象となりますが、それ以外は自費診療です。
    • 矯正器具の装着時に、患者さんが食事、会話、見た目などに違和感を覚える場合があります。
    • 矯正器具の装着時に、歯が磨きにくくなるので、より入念なブラッシングが必要になります。
    • 矯正器具によっては不具合が生じ、口を動かした際、歯肉が傷つくことがあり、炎症を引き起こす場合がありますが、その際はすぐにご連絡ください。
    • ご自身で着脱できる矯正器具の場合は、成果を得るために、装着時間を守る必要があります。
    • 顎の骨が成長を終える15歳前後までの経過観察を必要とするため、治療期間が長くなることがあります。
    • 矯正治療終了後、しっかり保定しないと後戻りをする場合があります。

思春期の矯正治療

多感な時期だからこそ

  • 中学生になったり、高校生になったり、今までと生活の場がガラッと変わる場面ですよね。そんなときに新しくできた友達が綺麗な歯並びで何の屈託もなく歯を見せて笑っているのを見て、ドキッとすることってありませんか。
    「私の歯ってどうしてこんなにがたついているの!」「小学生の時は出っ歯、出っ歯とからかわれてもなんにも感じなかったけど、俺、なんだか落ち込むわ。」などと気になって、こっそり鏡を見たりするのですね。
    自己肯定感が次第に薄れていき、楽しいはずの学校生活が歯並びのせいで、どんよりとしたものになったりします。 そんな時に、矯正治療が登場するのですね。

    この時期の矯正治療は親知らずを除いてほぼ全部の永久歯が生え揃っていることや、女の子の場合はほぼほぼ骨格の成長が止まっているので、矯正治療が、ある意味し易い時期になります。もちろん口呼吸があるなら、その改善も図りながら、歯を並べるスペースを作るために小臼歯という歯を何本か抜くこともありますが、上下全ての歯の表面にブレースをつけて、ガタガタを撮ったり、歯を引っ込めたりするのですね。 保険が効かないとか、時間がかかるという問題はありますが、もう歯並びのことで悩んだり、落ち込んだりすることはなくなります。 ブレースをつけていることで、勉強の妨げになることはほとんどありませんが、クラブ活動でフルートやトランペットを吹く場合や、ラグビーなどでマウスピースが必要な場合は、矯正の先生とよく相談してください。


    思春期の矯正料金
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