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豊岡へ時々

 父が亡くなって、21年が経つが、折に触れて墓参りに出かけている。母は毎月のように出かけて、同級生との女子会も楽しんでいたが、私は節目節目に同行して、城崎温泉に投宿するのが常であった。それも、母が入院してからは独りで出かけるようになったのだが、春のお彼岸、命日のころ、秋のお彼岸そして年末といった具合である。

 たまたま何年か前の岡山でのフォレスタデントのセミナーを受講して下さった先生の中に、豊岡市からみえていた先生がいらっしゃって、墓参りでそちらの方に行くんですと話をしたところ、ならば是非うちの医院にも来てくださいという話になって、不定期でお邪魔するようになった。

 一番最初は七月だったか、折しも台風が来て、大阪発の特急が全部運転休止になったため、前泊する予定のホテルに行けませんと連絡すると、城崎温泉行のバスなら運行しているので、そちらでどうぞと言われて、大雨の中、バスで出かけたのを思い出す。初回はスタッフ向けにミニセミナーを行い、問診のことや、スケルトンタイプの拡大装置の効能とか、症例を見てもらった。午後からは、スタッフのお子さんを何人か診させてもらって、実際の問診の仕方や、採得した資料から治療プランの立案のことや、諸々の注意点などを話した記憶がある。

 以来、その医院に年に何回か赴き、先生から、これから進めていく矯正治療の方針の確認とか症例相談を受けている。その先生はいろいろな講習会を受けてらっしゃって、私どもが敬遠しているテクニックなどもご存じだったりして、こちらが勉強になることもあったり、また私がセミナーで話したことをどのように理解され、展開されているのかも知ることができて、それをフィードバックさせてセミナーに活用させてもらっている。もちろん、矯正医である私どもが当たり前に行っていることが、できていなかったりするので、そのあたりの枝葉末節的なことも、臨床の場で指導をさせてもらっている。もちろん、先生の症例もお借りして、セミナーで披露したりもしている。いわゆるギブアンドテイクの関係だが、夜には鄙には稀な(失礼!)フレンチをご馳走になるというご褒美がついていて、墓参りはただの口実になっているのかもしれないと思う今日この頃である。

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