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歯科コラム
セミナー
十年以上前から、スケルトンタイプの拡大装置を用いた矯正治療 ― 特にⅠ期治療を中心に ― というタイトルで、矯正の機材販売の会社とタッグを組んで、年に三回ほど、日本全国でセミナーをやらせてもらっています。
先日も東京で、過去の受講者を対象としたフォローアップセミナーで話をさせてもらいました。
スケルトンタイプの拡大装置を用いた上顎の拡大は、私どもの医院の一つの柱です。口呼吸の弊害を持つ患者さんの治療に、原因の根本から取り組むことのできるものですから、必要不可欠なものとなっています。
今でこそこんなことを言っていますが、私自身、大学にいた頃は、二例しか経験がなく、一例はすぐに脱落してしまい、結局使わずじまいでした。また開業当初もこの装置は見た感じ物凄く痛そうな感じがするので、この装置だけは使わないでおこうと思っていたのも事実です。
それが今では、ほとんどの児童の矯正にこの装置を使っています。そのきっかけは、広島で小児・矯正で開業していた二年後輩のK先生が、面白いセミナーをするんで聞きに来ませんかと、誘ってくれたことでした。月に一度、新幹線で何回か通いましたが、最初は?????状態でしたが、半年ほどして、自分の医院の患者さんに適用したところ、あっ、こういうことかと、!!!!!となりました。
K先生が亡くなってしまったので、一人で細々とこの治療を続けておりました。そうこうするうち助教授をしておりました弟の好隆が阪大を辞して、しばらく当院で働いてくれていたのですが、この装置のポテンシャルに気づき、矯正の機材販売会社を紹介してくれて、セミナーを開催することとなったのです。
初期のセミナーの内容は今のものからすると稚拙なもので、恥ずかしくなりますが、やはり人前で話すにはそれなりの勉強も必要になりますので、いくつも英語の論文に目を通したものです。ですから、睡眠障害などにも興味を持ち、私どもの問診にもそのあたりの項目を取り入れて、自分自身の研鑽に大いに役立ったと、セミナーをする機会を頂いたことに感謝しています。
口呼吸の弊害、これは鼻詰まりや扁桃腺が大きいことが原因となるので、いろんな症状というか、不都合が生じています。歯科医師の方にはセミナーを通じて論じさせていただいていますが、児童の患者さんの保護者に対しては不十分です。ミニコミ誌の「ともも」にも、そのあたりのことについてかなり書いてきたつもりですが、まだまだ口呼吸の不都合は知られてはいません。今後は保護者の方にも、もっと強く、鼻閉による口呼吸の問題点や、スケルトンタイプの拡大装置が有用であることをアピールできればと思っています。