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イオン発生機

 恥ずかしながら、少し前にコロナ陽性と判定されてしまった。喉が少し痛くて、就寝前になると熱が出て、朝には平熱になっているという感じの日が続いたので、近所の発熱外来に行くと、鼻の穴に棒を突っ込まれて少し痛い思いをして、はい、コロナ陽性です!と宣告されて、どこそこの薬局で、よく効く薬を貰って、五日間仕事をしないで、自宅待機してくださいと指示があり、何の滞りもなくことは進んでいった。

 ワクチンの効果なのか、薬の効果なのか、何の問題もなく元気で、ただただ無為の日々を過ごすことの方が苦痛であった。もちろん週に1~2回のプールにも行くこともできなくて、持病の腰痛がひどくなったことも問題である。

 家族にも診療室のスタッフにも、新たな罹患者は出ずに済んだことはありがたいことであった。患者さんからも、先生にうつされましたと訴える声も聞こえなかったので、これも幸いである。

 実は宣告日の二日前には家内と泊りがけで墓参りに出かけていたのだが、この日も寝る前に発熱があり、ベッドで大汗をかいていた。至近距離にいた家内には結果としてうつさずに済んだのだが、ベッドサイドにいつもポータブルのイオン発生機を置くのが習慣になっているのが功を奏したのではないかと考えている。

 一辺が7cmほどのキューブの中にイスラエル製の双極性イオンを発生させる素子が入っていて、イオンを空気中に放出することで、花粉やウィルスを無毒化することができるという謳い文句なのだが、たまたま知り合った鉄ちゃんつながりのS君の家業がそれを製作されていたので、1つ購入させていただいた。まだ、使用して二か月程度だが、今度は花粉の時期にも効果を発揮してくれることを期待している。

 診療室にも、キューブよりも強力な装置を置いているのだが、スタッフにうつらなかったのは、この器械のお陰なのだと信じている。時折発生していた石膏泥からの硫黄の化合物の臭いも気にならなくなったし、月に二回ほど来るバイトの先生、この先生は鼻炎持ちなのだが、終盤、いつも点鼻薬を使用しているが、前回は使わずに済んだと言っていたので、浮遊しているアレルゲン対策にも使えそうである。

 他社の製品よりも、発生するイオンの数がはるかに多いとのことで、またコンパクトで、何よりフィルターが不要なので、メンテナンスも楽である。

 S君の話では、なんでも旭山の動物園のペンギン舎にも納めていて、臭いは言うに及ばず、そこにいるペンギンの赤ちゃんの死亡率が減ったとのことである。技術屋さんの目の付け所、面白いし、今回は本当に感謝である。

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